白昼夢

あとでどうせ来るはずの町でパンを買い置きしておくことにした。
CDの返却に来る時間帯にはスーパーは閉店しているからだ。
4階までエレベーターで上がり、うろつく。
するとデニムを履いたイイ尻とすれ違った。
あてもないのでちょいとストーキング・・・
さびれた雑貨屋の中に吸い込まれた。
動き回るイイ尻を見ながら、隣にかけてある傘の柄でイタズラしたいと思ったり・・・いや、いかん。
小さい鏡やフォトフレームが乱雑に入れられたダンボールを漁った。
手頃なチャコールグレーのフレームを発見し、買おうか買うまいか迷っているとき、
「・・・ちょっと」
(・・・???)
「・・・触った?俺が???」
隣で傘を物色していたイイ尻が俺を痴漢扱いしてきた。
そして今更、イイ尻は以前同じバイト先で同中の先輩Dさんだった。
「いやいやいやいや!だって今両手ダンボールに突っ込んでたし!」
あたりを見回す。
Dを挟んだ向かい側にこちらを伺う女性が居た。
「・・・俺何もしてないっすよね?」
優しそうな女性はどうやらショップスタッフのようだ。
ショップスタッフは頷いた。
「ほら!」
疑うD。
「え?・・ここグルだと思ってるんすか?いやいやいや!だってこの人と会ったの初めてですよ」
ショップスタッフが口を開いた。
「あたし知ってる」
「・・え?」
「同じ中学」
「え?・・え?87?」
「・・85」
(なんとDさんの同級生だった・・!!)
「うわー!俺知らんやったー!!ならDさんとタメ!?」
二人を交互に指差す。
ニコニコと笑うショップスタッフ、恥ずかしそうに頷くD。
場の空気が和んだ。
もう一度主張する。
「とにかく俺やってないっすよ!この人(ショップスタッフ)も言ってるし!!」
何とも腑に落ちない顔で、俺が犯人じゃないことは分かったが監視カメラの映像を見せてもらう、とその場を離れるD。
それはいい案だ!と後に続くショップスタッフと俺。
50m程離れたモニタールームに着き、数台並んだモニターを覗き込んだ。
ちょうど今、キングサイズのベッド売り場に仕掛けられたカメラが、ホットパンツ姿3人組の談笑風景を映し出した。
(コイツずっとこんな映像ばかり見てるのか・・?)
モニター係の中年男に嫌気がさした。
が、しかし真ん中の女(全盛期ほしのあき風)のホットパンツから覗く恥骨がたまらなくエロい。
モニターから覗かれているとは知らず、仰向けで横たわる女達は3人中2人がこちらに股を広げていた。
「そんなことよりさっきの映像を・・!」
こんなとこまできて疑われては元も子もない。
平静を装いモニターを凝視する。
巻き戻る映像。
一瞬チラリと映る第4の影。
そこに映し出されていたものとは・・・!!!


※ この物語はフィクションです。ラストには脚色が含まれます(理由は目が覚めたから)。信じるか信じないかはあなた次第、です。