一つの過ち

一度でいいからSEXしたい女が居るのだけれど、現在の心持ちではとても実現しそうにない。
実際のところ、今まで本当にそう願った相手とSEX出来たことは過去一度もない。(風俗嬢を除き)
むしろ大して好きでもない女を口説くほうがラクだし、相手も同じ心境だったからこそ実現したのではと今なら思う。
よく耳にする一夜の情事も、結局は同じバイオリズム・メンタリティを持ち合わせていない限り起こり得ない。
今日交わりたい男と、今日交わりたい女の必然的な邂逅だ。

下心だけで始まった人間関係には終わりが来る。
時間と共に、起こらなかった夢に見切りをつけ、ある瞬間に諦めの地点へと着地する。
世の中は思い通りになどいかないと悟った後に求めるものは、溜まりに溜まった欲求不満の捌け口。
そこが一致して恋愛に至ることもあるのだから、やはりタイミング次第で物事はどうとでも転ぶのだろう。

詰まる所、俺には自信が無い。
傷付くことをヒドく怖れ、結果から逃げてきた。
今生で起こり得るあらゆる幸せや絶頂体験を、挫折の上に成り立った価値観を守るため不意にしてきた。
本当に望んだものを手に入れるとはどういうことだろう?

(スペイン映画やヒッピーカルチャー、江戸時代の春画のような性に奔放な場所に向かうこと?その土地で見つけた魅力的な女に全身全霊でアピールすること?それとも、内から出てくる美を賞賛してパートナーになって欲しいと懇願すること?)

すべては、初恋を成就させることで完了するだろう。
既婚者であっても、子持ちであっても、その瞬間に心が動けばハッキリと告白すること。
フラれるのを怖れて気持ちを押し殺す癖は、その原体験から治療を行わない限り治らないような気さえする。